【takagawa column】女性目線の先にあるもの

takagawa column

女性目線の先にあるもの

今年2020年になってから、遅ればせながら私はPayPayを使い始めました。家族や周囲からは、その便利さやポイントのお得さをさんざん聞かされ、「使った方がいいよ」と勧められていたのにも関わらず、それまで使う気が起きなかったのは、今思えば「設定がめんどくさそう」という、ただそれだけの理由。実は一つだけ入れてみたQRコード決済アプリが、結構設定に手間がかかり、「また同じことをやるのか…」と思うと食指が動かなかったのですね。


 でも、ある日。たまたまついていたテレビの情報番組で、見るとはなしに見たのは、「ある企業が実施している、一般主婦向けPayPayの使い方講座」の模様でした。私とほぼ同年代と思しき主婦の皆さんが、「まずアプリをダウンロードして…」と説明を受けつつ、自分のスマホでPayPayの設定を行い、「意外と簡単ですね」と感想をもらす様を見て、私はふーんと思い…そして、その日のうちに光の速さでPayPayアプリをダウンロードし、設定を行ったのでした。


 何のことはない、私は自分と似た属性の他人が説明を受け、新しい体験を行なっている様子を目にすることで、他人に自分を重ね、講座を追体験したのです。実際にテレビで流れたのは、講座のごく一部で1分間程度のもの。でも、その時私はPayPay講座を受講していました。これってつまり、自分が日頃制作している、読者モデルや編集室スタッフを起用しての体験記事型広告の効果と全く同じだな、テレビや紙やウェブと媒体は違っても、追体験こそが人を動かすんだな、とコンビニのレジですっかり慣れた手つきでスマホを出し、「PayPayで」と言うたび、私は思うのです。

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